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Posted by ミリタリーブログ at

2015年12月23日

24 -Twenty Four- 横浜PCM編


ピッコン、ピッコン…



(小山 力也さんのCVをイメージしながら読んでください)

新宿MMSで企てられたオールナイト射撃会
潜入捜査に無事成功し、なんとか脱出したのも束の間

横浜PCMでのラストシューティングマッチ
「PMC LAST STAND」の開始が刻一刻と迫っていた…

この時点ですでに24時間起きっぱなしのジャック。

果たして生き延びる事が出来るか…?





AM 8:00〜PM 12:00

勝手に居残って共にJSCを闘った若き同志達と別れ、

私はヘリを使って新宿から横浜、和田町に急行した。





なんとか定刻に現場に突入した時、会場はすでに
横浜のラストに花を添えんと闘志みなぎるツワモノシューターの熱気で満たされていた。




私はこのシューティング界に潜入を開始してから
まだ日が浅い方だが、

オープンから今年で9年目を迎えたというこの横浜PCMは、
幾多のシューティングマッチで上位を席巻する凄腕達が集い切磋琢磨することで、
いつしか”シューティングの聖地”と呼ばれるようになっていた。



諸事情により、惜しまれつつも今年いっぱいでその歴史に幕を閉じるという事で、

最期のマッチとなる「PMC LAST STAND」は、史上最多となる50名 72エントリーの
まさにラストを飾るにふさわしい盛り上がりでスタートを迎えた。


最初に御断りしておくが、潜入捜査で隠し撮りのため、
証拠画像がだいぶ少ない。

文章が多いリポートとなるが、ご容赦願いたい。




まずはラストの大会を仕切るチーム「虎穴堂」から
osamuraiさんと大会創始者 石井名人の開会挨拶





PM 12:00〜 PM 14:00


70エントリーのマッチを捌くというのは、
事前準備も含めておそらくかなり骨の折れる仕事である。

横浜PCMの常連さん達とチーム「虎穴堂」の皆さんは、

それでも周到な準備と巧みな連携で、
滞りなく試合運びを行っていた。

もちろん、ご自身達もシューターとして
試合に本気で挑みながら。




オープン、アイアン、タクティカル、リヴォルバーと多彩なカテゴリーを織り交ぜつつ、

前半戦 フリースタイル 無事終了。

この時点でオールクリーン48枚を達成したのは、
70エントリー中 僅か9人であった。




名手と呼ばれる人たちでも、ほんの僅かな心の揺らぎ、手の震え、プレッシャーで

弾は無情にもターゲットを外れて遥か軌跡を描く。

一見すると地味に見えるこの競技が、多くの
シューターをして何度も果敢に挑ませるのは、

このプレッシャーをねじ伏せて自らを
完全にコントロールし、オールクリーンという頂点に到達した時の景色を見たいが為に他ならない。




フリースタイル満射を達成した9名はさらなる高み…96枚完全制覇を

惜しくも満射ならずの人たちは、気持ちをリセットして再び48枚を倒さんと

70エントリー70模様の想いを内包しつつ

後半 アンビデクストラウス 48枚はスタートした。





PM 15:00〜PM17:00



4、5、6、7mの各距離につき6枚×2ストリングを
利き手、逆手のワンハンドで撃ちわける
アンビデクストラウス。



後半戦の撃ち順は、前半フリースタイルのスコアで決まる。

奮わなかった人は最初の方に、
クリア枚数が多くなるにつれて順番は後の方になる。

つまり、前半満射を達成したマスター達は、撃ち終えた他の人たちがギャラリーとなって注視する中
オールクリーンをかけて終盤に肩を並べて
挑む事になる。

否が応にもマッチプレッシャーが最大限に高まり、
全てにおいてより強い者が最期に生き残る仕掛けだ。





長丁場の試合も滞りなく進んでいよいよ大詰め、
虎穴堂 おーちゃんさんによる
満射に挑む9名のシューター紹介の名アナウンスが鳴り響き

会場のボルテージは最高潮に達していた。



フリースタイルでふるいにかけられ、
満射への可能性を残した9名はいずれも名だたる強者揃いだったが、

アンビのさらに高い壁、高まるプレッシャーの前に
1人、また1人とターゲットを残していく。



そんな中、安定感バツグンの射撃で見事アンビも48枚クリーン

皆の拍手喝采を浴びたのは、

はるばる大阪から挑戦にいらした
関西の名シューター

まうさんことニシ トシアキさんであった。




後に追跡調査したところ、早朝4時に大阪を出発していらして、

緊張と眠気の中で懸命に闘ってたとの事。

傍目では淡々とスムーズに撃っているように見えるが、

当の本人は一発も気を抜く事なく
肉体的、精神的に様々な自分の中の
ハードルと格闘しているのである。

きっと、他のシューターの皆さんも
スコアの良し悪しこそあれ
全員同じ気持ちだったのではないかと思う。





まうさんの満射を受けて続く最期の組は、L.E.M サプライのヤダさんと
去年のPMC 2014ラストで悲願の満射を達成したハマのブラックサウスポー、オザワさん。



階上では、すでに撃ち終えて良くも悪くもプレッシャーから開放されたギャラリー達が
モニターを注視しつつ

「願わくばこのお二人にも満射してもらって、
まうさんと3人並んでシュートオフとか
観たいもんだね〜」

などと当人達のプレッシャーもどこ吹く風とばかりに勝手に盛り上がっていた(笑)。


「頑張れ! ブラックサウスポー!」
(競走馬っぽい)といったヤジも飛びつつ、

なにやら府中の競馬場的雰囲気と化していく
観戦席。

ビールとツマミがあれば最高であった事だろう…




しかし幾多の強兵がしのぎを削る中、
最期のハマ風は遠路はるばるやってきた関西の雄に吹いた。



最終的に今回ただ一人 全セッション 96枚
オールクリーン達成で

まうさんが優勝。同時に「第十三代 名人」に名を刻む事となった。





去年書いた事の繰り返しになるが、

このプレートマッチは、誰かがクリーンを出すと
他ではあまり見られない奇妙な一体感に包まれ、会場が湧き上がる。

無論、自らの夢叶わず落ち込む人もたくさんいる中、

それでも誰かの成し遂げた結果には素直に
胸がすく思いになる。

一見手が届きそうで、実は遥か高みにある
96枚 満射という頂点が

いかに素晴らしいか、プレートに挑むシューター全員が身を以て知っているからこその

達成者への惜しみない賛辞であろう。






PM 17:00〜PM 18:00

戦い終えて閉会式。


今回は横浜PCMラストマッチという事で、
オーナーのゴトウさんから特別にご挨拶があった。


「願わくば横浜PCMで撃った事を忘れずに

これからも皆さんそれぞれ活躍して行ってください」



この言葉には、正直横浜PCMさんと関係の薄い私でも
胸に迫るものがあった。

ホームシューターの皆さんにとっては万感の思いがある事だろう。



運営代表のosamuraiさんから感謝を込めて、参加シューター全員のメッセージ付き写真が贈呈された。

私自身は年に数回マッチにお邪魔する程度であったが、
楽しく射撃させていただいた事を感謝します。








ここからは少々個人的になるが、

よきシューティング仲間であり若き先輩の
Abeちゃん


前半惜しくも一枚落としで臨んだ後半戦

より難しいアンビで見事48枚クリーンを達成し、オープンクラスマスターの称号と総合2位を手にした。

精密射撃系では、ベテランも認める比類なき実力を誇るヤングシューター。

満射の高みまで、あとほんの僅かである。

心からおめでとうを言いたい。



Gunsmithバトン 金子店長にも練習で大変お世話になった。


マスター位を持つご本人は全く納得の行く
成績ではなかったと思うが

色々調子が良くなさそうだった去年の今頃に比べて随分覇気が戻られた様に思う。

お忙しいとは思うが、このまま調子を上げてどんどん復活していただきたい。





いつも練習会に呼んでくださる、虎穴堂の皆さん。


アンビは苦手と公言しており、自らの目標として
フリー満射 マスター獲得に賭けていたタイガーさん。

練習の成果を発揮してストリングクリーンを重ね、
終盤7m、ついに野望達成かと思われたその時惜しくも一枚を外し、

終わった瞬間に
階上まで響き渡った「クソーッ‼︎」という雄叫びは、

こんな私でもすごく気持ちが分かります。

ヨーダさんはトップシューターらしい安定感あるフリー満射で後半に賭けるも、夢叶わず…残念。

ロードランナーさん、おーちゃんさん、もじゃもじゃさん、コヨーテさん

そしてosamuraiさん

今年最期の大仕事、大変お疲れ様でした。

ありがとうございました。



一日中R.Oコールで最後は声枯れ気味のスズキさん、

虎穴堂の皆さんと一緒に運営していただいた
横浜PCM常連シューターの皆さん

ありがとうございました。






最期に大会創始者、石井名人からのご挨拶があり、
横浜PCMさんへの感謝と共に来季PMCに向けての展望が語られた。




クロエの情報分析によると(もういいって)
2016年は2月の滋賀に始まり、京都、
そして春先には東京 Gunsmithバトン アキバ店での開催予定があるらしい。

マッチ内容も、オールクリーンへの難易度の高さはそのままに、
より誰でも何度でも挑戦しやすくする変更を考えてらっしゃるとの事だった。

現在、CTUでも情報収集中だが、
いずれ石井名人のブログで詳細は明かされるであろう。









…こうして丸一日に及ぶ私の潜入捜査は
終了し、満身創痍ながら生還する事が出来た。


横浜最期の大会はまうさんの新名人誕生を筆頭に
アメリカ帰りのカミヤ ユイ女史が
ケイコ姐さん、ハマの女王 オダ エミさんとのハイレベルで息詰まるレディス対決を
フリークリーン、アンビ46枚と
満射まであと2枚に迫る見事なウーマンマッチレコードで制したり、

Abeちゃんをはじめとするヤングジェネレーションが満射まであと一歩に迫ったりと、

随所に様々な才能の煌めきを見せていただいた。





彼女ら、彼らのような華のあるシューティングスター達を見るにつけ、

華も実もない凡庸なオッサンである自らの存在価値を自問自答する訳だが

今回の横浜でも味わった現場の一体感、
夢破れた悔しさ、達成感への渇望、才能への嫉妬
一緒に練習した人たちへのシンパシー

なにより、ただ流れさる日常ではあまり感ずる事のない、
何か困難な事にチャレンジする
あのプレッシャーと緊張感。

それらを思い返すと、またふつふつと
チャレンジするモチベーションが湧き上がるのは不思議な事だ。




万全だろうが寝不足だろうが、今の私には満射達成の実力は備わっていない。

最期のPMCも、分相応の順当な結果だった。

その事実を噛み締めつつ、

新たな来年への静かな焔を胸に

今年最後のシューティングマッチは

しめやかに幕を閉じたのだった。








PM 10:00〜

帰りは経費削減でヘリを寄越してもらえず、
混み合う横浜線で一時間立ちっぱなしの間

何度となく立ち寝ヒザカックンをやらかしてしまった。






かなり冗長な駄文を並べてしまったが、
年末の総括という事でお許しいただければ幸いだ。

今回の事件で得た最大の教訓は、
「やっぱり夜はちゃんと寝るものだ。」
という事であると記しておきたい。



今年一年、お世話になったシューティング関係の皆様に

改めてお礼申し上げます。

ありがとうございました。

さて、来年はどんな闘いが待ち受けているのだろうか。

おっと、休む間も無くまた大統領からのホットラインが入ったようだ…



〜完〜